前に著作権について基本的なことを書きましたが、日本の音楽著作権協会の

JASRAC

とは!!!

一般の方もミュージシャンも一体どんなイメージを持ってるでしょうか?
僕の周りの方のイメージは良くないです 笑
でも JASRACについて知ってるのは人づての情報で、実際どんな活動をしているかなど知らなかったので、ホームページの規定など調べてみると意外と記事で見たこのとない重要な事も知れました。
知っていて損のない情報を、フラットな視点で共有できればと思います。

著作権について色々な法律がありますが、全ての法律を決定する根底にある考え方があります。
それは、著作権法1条にある


文化の発展に寄与する


これが、全ての著作権を決定するベースにあります。

音楽の文化の発展のために著作権が守られています。
なので音楽の文化の発展を妨げるようなことは、著作権法の目的に反しているということになります。
ただこの考え方に対する解釈が違ってしまうことで度々問題が起こっています。。。


音楽著作権の歴史

  • 1899年(明治32年)、日本は海外の著作権を保護するベルヌ条約に加入。
  • 外国音楽著作権団体の代理人ウィルヘルム・プラーゲは、1931年(昭和6年)より放送局やオーケストラなどに対して著作権使用料の請求を開始。
  • その頃日本はまだ著作権料の概念がない上に、かなり高い料金を請求されたため音楽会社などと対立。
  • 1939年(昭和14年)に著作権料による打撃を防ぐため新たな著作権法が制定され、文化庁公認のJASRACが設立され、プラーゲ著作権団体は認められず帰国。
  • 2001年文化庁の許可制から条件を満たせば登録できる著作権等管理事業法の施行をうけ、NEXT TONE(エイベックス・ミュージック・パブリッシング、フェイス、アミューズなど)などが独占されていた音楽著作権管理事業に参入した。


日本国民はみな著作権料を支払っている


アーティストがもらえる印税は、著作権管理団体が徴収し、分配されます。
それは、CD、カラオケ、TV放送、Youtubeなどのインターネット、ライブハウスや色々なお店から。
つまり、CDやカラオケ、著作権契約しているライブのチケットや音楽が流れている飲食店などの料金には

著作権料が含まれている。

なので

普通に暮らしている日本国民はみな著作権料を支払っていることになっている。

そういう意味でも僕らは皆

音楽文化の発展に寄与

していることになっており、著作権について考え、発言する権利が十分あると思います。

そもそもミュージシャンはリスナーの方達のおかげで食べてくことができるわけですもんね。

そして、著作権料金がもう少し安かったら、色々な音楽に関する利用料金が下がり助かるのでは!と、たくさんの人が思ってます!笑
そうなるとたくさん音楽を利用、発信することができて、更に

音楽文化の発展に寄与

することになるでしょう。
(また後ほど書きますがYOUTUBEやGOOGLEなどによる音楽文化の発展。経済と国の発展へ!)

毎年大幅黒字の著作権料金がなぜ下がらないかというと、料金について意見できるのは会員だったり、基本的な事項を調査審議する文化審議会著作権分科会の半数が著作権の恩恵を受けているメンバーで構成されているということもあるそうですが、、、

ただ会員の中には安藤東洋大教授のように、
過度な徴収に反対し、意見に謙虚に耳を傾けよう。
と仰ってる方もいるそうです。

実際途方もない量の楽曲を調査するのはとても大変ですし、一生懸命音楽のため真摯に対応し(電話質問など)、説明してくれる方もたくさんいます。

そのおかげもありCDの落ち続ける売上に対し、徴収額は落ちることなくここ10年1,100億円くらいをキープしているので、著作権の恩恵を受けているアーティストさん達からしたらどんなにありがたい存在ということになるんでしょう。


著作権料金と管理手数料


JASRACへ入会するには個人だと27,500円、音楽出版社などは82,500円で色々特典付きの会員もあります。
著作権料金と管理手数料は文化庁公認で設定されていて、ホームーページにも公開されています。
(法律なので時代とともに変化していくので注意が必要です。)
例えば具体的に数字で見てみましょう。


ライブハウスだったら

入場料が4000円,定員数が2000人のコンサートホールで演奏する場合、4000×5%×2000人×80%=320,000円が使用料となる。

よくわかる音楽著作権ビジネス 基礎編 安藤 和宏/著 — リットーミュージック — 2018


この責任は基本演奏者ではなく経営しているライブハウスになります。
ちなみに5%(著作権使用料率)で80%はみなし入場者数です。(実際の入場者関係なし)
JASRACは管理手数料がここから25%(80,000円)入ります。


なるほど〜、ですね。


ちなみに契約してるアーティストが自分の歌をコンサートなどお金が発生する場所で歌うと、自分の歌にも関わらず著作権料を徴収されます。
(ストリートライブの投げ銭については次回)

これはアーティストにはよく知られている情報ですが、あまり知られていない情報でJASRACは支分権毎にいくつか分けて契約できます。
なので「演奏権」の契約をしなければ自分の歌で著作権料を支払わずに済みます。

ただし、

これには落とし穴があり、下で説明するカラオケの印税はなんと「演奏権」になります。
自分の演奏(歌)を自分に聴かすという解釈で、一人カラオケでも適応される判決もありました。
(カラオケ機種を何台も購入して自分の無名な曲を歌いまくり、印税1700万荒稼ぎしたツワモノもいたようです 笑)

そして、もう一つの著作権管理団体NEXTONEは演奏権がないので、カラオケ印税がなく、かなり厳しくなるので結局「演奏権」もチョイスするしかないようです。


カラオケだったら

熱唱ビジネスマン まつなが ひでとしさんによる写真ACからの写真

定員10名の部屋が10室、定員30名の部屋が1室あるカラオケ店の場合、使用料は4000円×10部屋+8000円×1部屋=48,000円

よくわかる音楽著作権ビジネス 基礎編 安藤 和宏/著 — リットーミュージック — 2018

その前に、いい顔してますよね〜 笑


話は戻り、、、
JASRACは管理手数料がここから24%(11,520円)入ります。(令和元年9月からの率)
同じ曲でも部屋の広さで料金が変わります。

ちなみにカラオケ事業者は複製権と公衆送信権を支払っていて、基本使用料は1000曲で10,000円(管理手数料は9%)

この管理手数料から引いた額が音楽出版社へ行き、著作隣接権の持つアーティストや作曲家などに分配されるというわけです。
毎月この額は個人経営者とかからしたらかなりしんどそうですね、、、


この辺の色々なジャンルでの計算はホームページでもできるので予算組む時など活用できますよ〜。


お店でBGMを流すと著作権料金がかかる


先ほどもちらっと書いてますが、著作権は基本的に個人で楽しむ場合料金は発生しませんが、営利を目的だったりお金が発生するとき料金がかかります。
お店としては

 「著作権払わなきゃいけないなんて知らなかった」

ってとこも多いですが、

 「お客さんはご飯を食べたりお酒を飲む飲食店へ来るけど、音楽を聴く目的で来ていないのになぜ著作権料を支払う必要があるのか?」

 「CDを買った時点で既に著作権料を支払っており2重取りになる」

 「たまたま聴いた音楽がお客さんの好みだったりすると、宣伝になるし音源購入率もあがり音楽文化発展につながる」

という意見もあり過去裁判で争われましたが、お店が負けた判決があります。。。


このように思いがけず著作権料金がかかる恐れがあるとして、例えば

「葬式で故人が好きな曲を流すことを葬儀屋に禁止された」

など、その申請の大変さや経済的な理由で音楽を流すことをやめたお店などがたくさんあります。
音楽に関わること自体懸念している方がたくさんいます。

そういえばクリスマスに街中で山下達郎が流れなくなったり、お祭りなどでも著作権管理の音楽を聴ける機会が少なくなったし、小さいスーパーで古い音源のインストとかかかるのは著作権が理由かな??

そうなると逆に著作権の細かい規定や範囲の拡大が

「音楽の発展に寄与することを妨げている」

という意見も噴出する中で、今も大きな争点になっているのが


音楽教室から著作権料を徴収する

いおりんさんによる写真ACからの写真


です。

数年前に、僕の尊敬する音楽の先生達も懸念していた問題が、2018年から現実になりつつあります。

アーティストたちによる56万人にも及ぶ署名と117万人の異議のあるなか、徴収が始まってしまったのは本当に驚きました。

アーティストの権利を守るということで尊敬され、協力されるべきなのに、逆にたくさんの批判的な意見や記事がばかりが増え残念です。
あまり話題にされていませんが、何よりそのアーティストへ今もしっかり著作権料を集めて渡しているJASRACが一番残念な思いをしているんじゃないでしょうか?

そして、この件では他で聞かれない大きな情報が一つ抜けています。



その辺も含めその3へ続きま〜すっ。